屋内測位の欧州における法制化

欧州においてスードライトよる屋内測位環境の構築を可能にする法制化が進展

欧州連合CEPT

日本が政府主導で推進しているみちびき衛星による衛星測位システム構築の一環で、IMESは、屋内測位のプラットフォームとして、技術仕様や品質基準、設置方法、運用手順などが定められ、宇宙航法開発研究機構(JAXA)により、管理実施要領が制定され運用されています。海外においても、屋内疑似衛星による屋内測位について、長年にわたり、社会インフラとしての必要性が議論されきている中で、欧州においては、IMESの導入も可能となるスードライトの法制化が進展しています。

法制化は、欧州郵便電気主管庁(CEPT)の一組織である、ECC(Electronic Communications Committee:欧州電気通信委員会)が推進しています。欧州郵便電気主管庁は、欧州域内の加盟国主管庁間の関係強化や、各主管庁間のサービス及び技術の向上通商、運営、規則及び技術に関する標準化問題への協力を目的として設立された組織です。2014 年10月現在で、欧州48か国が加盟し、ノルウエーを議長国、英国、ポルトガルを副議長国として組織運営されており、ECCでは、電気通信分野の欧州共通政策や規制の推進を行っています。

CEPT加盟48カ国から選出された電気通信分野における経験ある専門技術者が参加しているECCでは、屋内疑似衛星について、まず技術的な実現性を検討し、2009年1月に、ECC Report 128(英語)として制定した上で(2011年9月改定)、2011年5月に、ECC Report 168(英語)(ECC レポート日本語版)で、加盟国の法制化のフレームワークを制定しています。

これを受けて、2016年1月の時点で、15か国が法令化を行い、2か国が法令化することを決定、6か国が法令化しないことを決定しています。

  • 法令化がされている国(15か国)
  • アンドーラ、オーストリア、デンマーク、エストニア、ドイツ、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、モンテネグロ、ノルウェー、オランダ、スエーデン、セルビア、スロベニア、スイス、イギリス

  • 法令化を決定した国(2か国)
  • フィンランド、リトアニア

  • 法令化をしない国(7か国)
  • ブルガリア、クロアチア、ハンガリー、アイルランド、ラトビア、トルコ、マルタ

  • 検討中の国(3か国)
  • ベラルーシ、チェコ、イタリア

    欧州屋内疑似衛星法制化状況

    *最新の法制化状況は、ECOのサイトからご確認いただけます。

    さて、法制化のフレームワークの概要は、以下の通りです。

    1. 加盟48か国の屋内スードライト法制化のガイドラインについて

    2011年5月に、以下の推奨事項をECCが承認:

  • 1,559~1,610MHzで承認すること
  • 設置場所ごとに認可を必要とし、空港などについては、個別検討を義務付けて運用すること
  • 専用コードによるスードライトのみを個別承認すること
  • ライセンス取得によりスードライトの設置を行うことでスードライトの位置情報を把握すること
  • 電波干渉の可能性について、確認と軽減のためのガイダンスを、承認、ライセンスで提供すること
  • 軍およびその他の政府機関並びに気象予報機関については、特定の設置場所を制限すること
  •  
    2. 屋内スードライトの技術仕様について

    技術仕様の概要は以下の通り:

  • EIRP(実効放射電力):-50~-59dBm
  • Gold Codesから生成したPRNコードを使用すること
  • 以下の要件を満たしていること
  • 1つの設置区域にあるすべてのスードライトを単一の事業体が管理していること
  • 各スードライトがあらかじめ設定された最大半径の範囲のみをカバーしていること
  • 1か所から可視状態のスードライトを6台以下にすること
  • 可視範囲にある衛星と同一のコードを使っていないかなど信号の監視を徹底すること
  • 専用コードを使用せずに国家単位でスードライトの実験を行う際は、屋内スードライト非対応の受信機から、衛星が「Unhealthy」状態として認識できるようにしておくこと
  • 衛星のPRNコードをスードライトに割り当てないようにすること
  • 電波干渉の防止と分離距離の短縮のため下記の対策をとること
  • スードライトのアンテナをフロアに向けて並べて、屋内に向けて設置し、水平(0度)より上に向けた場合のEIRPを、最大EIRPより6dB低く設定する
  • 大きな窓の近隣への設置を避け、壁材料には、電波減衰対策をとる
  • スードライトの最大EIRPを下げる
  • スードライト向けに専用のPRNコードを割り当てること
  • 移動体にスードライトを設置しないこと
  •         

    弊社にて ECC Report 168 を日本語訳いたしましたので、以下のサムネールのアイコンをクリックすると詳細についてご確認いただけます。

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